フィリピンサンプリングイベント |【三立製菓 株式会社 様】AXIA JAPAN EXPO 出展企業インタビュー①
サンプリング
フィリピンサンプリングイベント |【三立製菓 株式会社 様】AXIA JAPAN EXPO 出展企業インタビュー①
AXIA JAPAN EXPOに出展した三立製菓株式会社様へのインタビュー記事です。
東南アジアへの分散展開を目指す同社は、本イベントでの試食サンプリングを通じ、国内とは異なりフィリピンでは「クックダッセ」が「源氏パイ」の人気を上回るという逆転現象や、高い再購入意向という確かな手応えを掴みました。
本記事では、チョコレート嗜好が強い現地市場の魅力に加え、価格や物流面におけるリアルな課題、さらに非正規流通を防ぎ、正規ルートでの確立を目指す今後の具体的な東南アジア戦略について、三立製菓株式会社の羽鳥様へ詳しく迫ります。
プロジェクト概要
企業名 | 三立製菓 株式会社 |
|---|---|
会社概要 | 業種:菓子製造・販売業 |
ご支援内容 | AXIA JAPAN EXPOへの出展支援・テストマーケティング(試食サンプリング・消費者調査、動画の提供) |
ご支援対象の商材 | ・源氏パイ |
実施内容 | ・現地消費者100名による試食、定性 |
主な調査結果・発見事項 | ・再購入意向95%、「ローカルスナックより美味しい」との回答が9割以上 |
出展の背景
♦︎ フィリピン市場選定の理由
インタビュアー
── まず、数ある海外市場の中からフィリピンを選ばれた理由をお聞かせください。
三立製菓株式会社
弊社はこれまで20年以上にわたり、中国・台湾・香港といった東アジアを中心に輸出を続けてきました。
ただ、近年の地政学的リスクを踏まえると、一極集中には限界があると感じておりまして。そこで東南アジアへの分散展開を戦略の柱に据えたのが、フィリピンに目を向けたきっかけです。
フィリピン自体は、すでに2年ほど前に国内の商社経由で販売を開始していたんです。ただ現地の実態がなかなか見えないまま、取引が続いている状態でした。「現地の消費者が実際にどう思っているのか」を自分たちの目と耳で確かめたい、という思いが強くなっていたところで、今回のイベントを知り、参加を決めました。

インタビュアー
── 出展前、フィリピンの消費者に対してどのような期待をお持ちでしたか?
三立製菓株式会社
正直なところ、そこまで高い期待値で臨んでいたわけではありません(笑)。
日本の菓子は「美味しい」というイメージはあるかもしれませんが、ブランドとしての認知はほぼゼロに等しい状況でしたから。
期待していたのは、主に二点です。一つ目は「生の声を聞けること」。商社経由では絶対に届かない、現地の消費者リアクションを体感したかった。
二つ目は「どのフレーバーが刺さるか」のヒントを得ること。国内での人気順がそのまま通用するとは思っていなかったので、そこは未知数でしたね。

現地からのフィードバックと「手応え」
♦︎ フィードバックを受けた感想
インタビュアー
── 現地からのレポートや来場者の反応を見て、率直にどのようにお感じになりましたか?
三立製菓株式会社
一言で言えば、「想定以上」です。数値として、再購入意向が95%、「ローカルスナックより美味しい」という回答が9割以上というのは、正直びっくりしました。他社製品の調査でここまでの数字が出ることは稀だとも聞きましたし、素直に喜んでいます。
動画で来場者の表情や反応を見たときは、より実感が湧きました。「あ、これは本当に気に入ってもらえているんだな」という確信が持てました。会社全体として、海外展開への機運が高まるきっかけになったと思います。

インタビュアー
── 日本国内での反応とは異なる、フィリピンならではの評価やご意見はありましたか?
三立製菓株式会社
一番驚いたのは、「クックダッセ」が「源氏パイ」を人気で上回った点です。国内では売上の約40%が「源氏パイ」なのに対し、「クックダッセ」は10%未満。まさに逆転現象が起きたわけです。
考えてみると、日本国内で「源氏パイ」は類似品が少なく独自のポジションを持っていますが、「クックダッセ」はラングドシャ系の競合が多く、なかなか価格競争で戦いにくい。
でもフィリピンではその前提がまったく違う。チョコレート系への嗜好が強い市場で、「クックダッセ」の甘さとリッチ感がハマったんじゃないかと見ています。
フレーバーの人気順も面白くて、ホワイトチョコ→チョコレート→抹茶の順でした。「訪日客は抹茶が好き」というイメージが強かっただけに、抹茶が3位という結果は、市場に対する思い込みを見直す良い機会になりましたね。

フィリピン市場の評価
♦︎ 市場の魅力の再確認
インタビュアー
実際に現地の声を聞いたことで、フィリピン市場の可能性についてどのような確信や可能性を持たれましたか?
三立製菓株式会社
一番の可能性は「味の評価が極めて高い」という事実そのものだと思っています。
どんなに戦略を練っても、商品が受け入れられなければ意味がない。今回のデータは、その根本的な部分でポジティブな答えが出た。
希望販売価格についても、最多回答が200ペソ(約510円)で、弊社が想定する現地売価と大きくずれていなかった点も重要です。「美味しいけど高すぎて無理」という壁さえクリアできれば、継続購入につながる素地はある、そう確信しました。
特に「自分用のおやつ」として購入したいという層が多かったのも嬉しい誤算でした。お土産需要だけでなく、日常消費としての定着が見込める、ということですから。
インタビュアー
── 出展を通じて見えてきた課題や今後の改善点があれば、教えていただけますか?
三立製菓株式会社
課題は大きく三つあると捉えています。
一つ目は価格の壁。200ペソという価格帯に魅力を感じる層は多い一方で、まだそこに届かない消費者層も一定数います。フィリピンは所得格差が大きい市場ですから、価格設定と訴求ターゲットの絞り込みが必要になってきます。
二つ目は輸出ロットの問題。実際の取引はコンテナ単位になるため、「クックダッセ」単品ではコンテナを満たすのが難しい。「源氏パイ」も含めた複数アイテムの混載提案で、取引を成立させる形にしていく必要があると感じています。
三つ目は抹茶フレーバーの賞味期限の問題。ホワイトチョコ・チョコレートが約1年なのに対し、抹茶は240日と短い。現地での評価が追いつかない限り、賞味期限の制約が足を引っ張る可能性があります。
今後の展開とアクション
♦︎ 次のステップ
インタビュアー
── 今回得られたデータやご縁を活かし、次のアクションとしてどのようなことをお考えですか?
三立製菓株式会社
まずは既存商品で安定した販売実績を積み上げることを優先したいと思っています。急いで現地向け新商品を開発するよりも、今ある商品できちんと売れる仕組みを作ることが先決です。
具体的には、「クックダッセ」「源氏パイ」を軸にした混載コンテナでの輸出を本格化させること。
そして現地ディストリビューターとの関係を整理し、正規ルートでの流通を確立することが当面の目標です。過去に中国や香港で並行輸入品が出回って価格が乱れた経験があるので、その轍は踏みたくない。
中長期では、現地市場の嗜好に合わせた配合や包装の変更も視野に入れています。ただ、それは実績ができてからの話です。

インタビュアー
── 企業が海外進出をする上で、どのようなサポートがあると望ましいとお考えですか?また、事業フェーズごとにお聞かせいただけますか?
三立製菓株式会社
フェーズによってニーズが全然違うと思うんですよね。
事業立ち上げ期は、今回のような現地消費者の声を直接拾えるリサーチ機会が非常に価値があります。「売れるかどうか」を判断するためのデータが圧倒的に不足しているフェーズなので、アンケート調査やイベントでの試食テスト、フレーバーのA/Bテストができる場があると助かります。
事業成長期になると、実際の流通の整備が最重要課題になります。BtoB商談会の開催や、現地の有力ディストリビューターとのマッチング支援があると心強いです。また、非正規流通の監視・管理も含めてサポートしてもらえると安心できます。
事業成熟期には、体験価値の創出が鍵になってくると思います。「源氏パイ」がスシローやスターバックスでパフェのトッピングに採用されたように、SNS映えするような食べ方提案や現地カフェとのコラボなど、商品の新しい楽しみ方を一緒に考えてもらえると、ブランドの厚みが増すと思います。

インタビュアー
── 最後に、AXIA Promotion & Trading Philippines Corporationのような現地パートナーや、AXIA Japan Expo自体に期待することをお聞かせください。
三立製菓株式会社
現地パートナーに一番期待しているのは、「現地のことを正直に教えてくれる存在」であることです。良いことも悪いことも含めて、リアルな市場情報を継続的に届けてくれる、信頼できる目と耳になってほしいです。
具体的には、正規流通ルートの確立と管理、ディストリビューターとの交渉・関係構築、そして現地の流通業者を巡るBtoB視察ツアーのような企画も非常に魅力的です。
「百聞は一見に如かず」で、現地の棚に自分たちの商品がどう並んでいるかを自分の目で見られる機会は貴重ですから。
AXIA Japan Expoについては、次回もぜひ参加したいと思っています。
一つお願いがあるとすれば、現地の有力ディストリビューターや商談相手と直接会える場を組み込んでいただけると、イベントの価値がさらに高まると思います。
また、フィリピン以外にも、弊社が注力しているベトナム市場の訪日客を対象にした同様のリサーチイベントを国内で開催していただけると非常に助かります。
日本国内で実施すれば、弊社が直接立ち会えてコストも抑えられますし、様々な市場への展開を一気に検証できる。これは強くお願いしたいですね。
今回のインタビューを終えて
三立製菓様は、20年以上の輸出実績に裏付けられた豊富な海外展開ノウハウをお持ちの企業様です。今回のイベントでは、現地消費者から非常に高い評価を獲得され、フィリピン市場における確かな手応えを掴んでいただけました。
特に印象的だったのは、データを冷静に読み解きながらも、次のアクションへの意欲が非常に明確だった点です。「まず既存商品で実績を積み上げる」という地に足のついた戦略と、正規流通ルートの確立を重視する誠実なビジネス姿勢は、長期的な市場定着において大きな強みになると確信しています。
弊社としても、現地パートナーとしてディストリビューターとのマッチング支援や販路開拓を通じ、三立製菓様のフィリピン・東南アジア展開を全力でサポートしてまいります。今後の更なる躍進を、ともに実現できることを楽しみにしております。
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