2026-04-30
ノウハウ
フィリピンで営業代行を活用する完全ガイド

「フィリピンに商品を売り込みたいが、どこにアプローチすれば良いのかわからない」
そう感じている日本企業の担当者は少なくありません。
フィリピン市場の成長性は疑いようがなく、2025年も5%前後の安定した経済成長が続いており、総人口は1億1,800万人以上、平均年齢は25歳前後と非常に若く、人口ボーナス期が2050年まで継続すると予想されています。
しかし、市場の魅力を知りながらも「実際にどう営業すれば良いか」「誰にアプローチすべきか」という壁に阻まれ、構想段階から先へ進めない企業が後を絶ちません。
その突破口として近年注目されているのが、現地に根ざした営業代行の活用です。
企業リストの作成から商談への同席・交渉支援、キーマンへの直接アプローチ、契約締結のクロージング支援まで、現地の知見を持つ専門チームに営業活動を委ねることで、自社に現地担当者がいなくてもフィリピン市場への実売を実現できます。

1. なぜフィリピン市場での営業は難しいのか
フィリピン市場への参入で日本企業が最初につまずくのは、商習慣と意思決定プロセスの違いです。
課題は大きく4つあります。
意思決定権がキーマンに集中している
フィリピン企業の組織構造は日本と大きく異なります。
決裁権が特定のキーマン(オーナーやCEO)に強く集中しており、担当者レベルでいくら関係を深めても、そのキーマンに届かなければ商談は前に進みません。
日本式の「担当者→課長→部長→役員」という稟議の積み上げとは異なる動き方が求められます。
対面のコミュニケーションが不可欠
フィリピンでは消費者と接点があるパートナー企業との「ウェットな関係構築」が重要であり、フェイス・トゥ・フェイスのコミュニケーションが欠かせない市場です。
信頼関係は対面の場でこそ育まれるため、メールや資料の送付だけで商談を進めることには限界があります。
代理店任せによる不透明な進捗
現地パートナーに営業を委ねたまま進捗の把握ができず、いつまで経っても案件が動かないという状況は、フィリピン進出を検討した企業が口を揃えて経験する「最初の壁」です。
進捗・資金・顧客反応のすべてが不透明になるリスクがあります。
販売ライセンスという壁
フィリピンで商品を正式に販売・営業活動を行うには、商材カテゴリーに応じた販売ライセンスの取得が必要です。
食品・化粧品・医薬品・健康食品などはフィリピン食品医薬品局(FDA)への製品登録が義務付けられており、未登録のまま営業活動を行うと法的リスクを負うことになります。
また、一部業種では外資の出資比率に上限が設けられており、100%外資での直接販売が認められないケースもあります。
ライセンス取得には数ヶ月から1年以上かかることもあるため、営業活動の計画段階から法規制の確認を並行して進めることが、スケジュール遅延を防ぐうえで不可欠です。
現地の専門家や進出支援会社を通じてこれらの手続きを確認・代行してもらうことで、リスクなくスムーズな営業開始が実現できます。
重要な確認事項:
販売ライセンスが未取得の状態での営業活動は、フィリピンの法規制に違反する可能性があります。商材カテゴリーごとに必要な許認可を事前に確認し、取得スケジュールを営業計画に組み込んでください。
2. それでもフィリピンに挑む理由:市場が持つ本質的な魅力
フィリピン基礎情報

課題がありながらも、フィリピンへの営業投資が合理的であり続ける理由は、市場の構造的な成長力にあります。
JETROの「2024年度海外進出日系企業実態調査」では、約7割の日系企業がフィリピン進出のメリットとして「市場規模・成長性」を挙げています。また、2030年には中間層にあたる下位所得層が2025年比で8.5ポイント上昇し、33.5%まで拡大する見通しです。
日本ブランドへの信頼も見逃せません。
フィリピンには、これまで進出してきた日系企業やODAなどが積み上げてきた日本ブランドへの厚い信頼があります。
2024年は約82万人のフィリピン人が訪日しており、日本の「本場の味」や地方産品の魅力を知るフィリピン人が増え、それがフィリピン国内での日本の商品・サービスの需要につながっています(出典:JETRO「フィリピンの投資環境」2025年)。
重要な視点:
問題は市場の魅力ではなく「どう攻めるか」のアプローチです。正しく営業活動を設計さえすれば、フィリピンは「日本企業にとって参入しやすい市場」に変わります。
3. 営業代行とは何か:フィリピン市場での定義と位置づけ
フィリピン市場における営業代行とは、日本企業に代わって現地で実際に営業活動を行い、商談創出から実売・契約締結までを支援するサービスです。
単なる「紹介」や「仲介」にとどまらず、企業リストの作成・アプローチ実行・商談同席・通訳・契約交渉まで、営業プロセス全体をカバーします。
テストマーケティングが「この市場で売れるかを検証するプロセス」だとすれば、営業代行は「売ると決めた後に実際に売り上げをつくるプロセス」です。
ただし実際の現場では、初期の営業活動で得た商談データや顧客反応を市場検証の材料として活用することも多く、両者を組み合わせながらPDCAを回すことが、フィリピン市場開拓の現実的な進め方です。
■ 営業代行が特に有効な3つの状況
• フィリピンに現地法人や駐在員がまだいない段階で、先行して市場の手応えを確かめたい
• 現地代理店に任せているが、進捗が見えず案件が止まっている
• 商談が担当者止まりでキーマンに届かず、案件が長期停滞している
いずれも、現地のネットワークと商習慣を持った専門チームが介在することで、状況を大きく動かすことができます。
4. フィリピンでの営業代行:6つのステップ
調査・設計から実行・効果測定、次の展開への判断まで、フィリピンでの営業代行は以下の流れで進めます。
■ 営業代行 プロセス一覧

重要なポイント:
STEP 1のターゲット設計の精度が、その後すべての活動の効率を決めます。「誰に売るか」を明確にしないまま動き出すと、アプローチ数だけが増えて商談化率が上がらない状況に陥ります。
5. フィリピン特有の商習慣と商談の進め方
フィリピンのビジネス現場には、日本式の常識が通じない場面がいくつかあります。事前に理解しておくことで、商談の失速を防ぐことができます。
■ フィリピン商習慣:知らないと陥るリスクと対処法

6. 失敗パターンと成功パターンの分岐点
フィリピンでの営業には、他市場では起きにくい固有の落とし穴があります。以下の対比で自社のアプローチを点検してください。

7. 費用感と効果測定の目安
フィリピンでの営業代行にかかる費用は、支援範囲と規模によって異なります。
企業リスト作成・アプローチ実行・商談同席・契約サポートを含む基本的なパッケージは月額20万円程度からスタートできるケースが多く、複数業界対応や契約交渉強化などのオプションを加える場合は追加費用が発生します。
効果測定においては、以下の指標を追うことが基本です。
単発の施策で終わらせず、取得した商談データと顧客反応を継続的な改善サイクルへ組み込むことで、本格展開への確かな根拠を得ることができます。
■ 営業代行 KPI一覧

8. まとめ:営業代行は「フィリピン市場への最初の実績」をつくる手段
フィリピンは日系企業が多く進出している国の一つで、2023年時点で1,604社が事業展開しています。
しかしその多くが、現地でのアプローチ設計と商談プロセス管理において試行錯誤を重ねてきました。
その経験が示すのは、「市場の魅力を知ること」と「実際に売上をつくること」の間には、現地知見を持った実行力が必要だということです。
フィリピンで営業代行を活用する本質的な意味は、コストを下げることではありません。
現地ネットワークと商習慣への深い理解を持つチームが動くことで、「日本からはアクセスできなかったキーマンに届き、止まっていた商談が動き出す」という変化をつくることです。
最初の実績データが出れば、次のステップが見えてきます。販売チャネルをどう広げるか、どの業界にリソースを集中するか、代理店体制をどう整えるか。
営業代行は、その判断を「感触」ではなく「データ」に基づいて行えるようにする、フィリピン市場開拓の出発点です。
9. AXIA Promotion & Trading Philippines Corporationの営業代行サービスについて
本コラムで解説してきた営業代行のプロセスを、AXIA Promotion & Trading Philippines Corporationでは一気通貫でご支援しています。
ただし、AXIA Promotion & Trading Philippines Corporationの営業代行は「一般的な営業代行」とは異なるアプローチをとっています。
国内向けの営業代行や汎用的なアウトソーシングサービスとの最大の違いは、フィリピン市場固有の難しさ言語・商習慣・決裁構造・法規制を現地チームが直接解決しながら動く点にあります。以下の比較表をご確認ください。
■ 一般的な営業代行とAXIA Promotion & Trading Philippines Corporationの違い

AXIA Promotion & Trading Philippines Corporationが提供する本質的な価値:
フィリピン市場での営業は、国内向けのインサイドセールス代行の延長線上にはありません。現地に根ざした実行力・独自ネットワーク・法規制への対応、そして対面での関係構築が成果の分水嶺になります。
AXIA Promotion & Trading Philippines Corporationはその6つすべてをワンストップで担います。
商談同席・交渉支援から始めるリアルな営業活動
AXIA Promotion & Trading Philippines Corporationの営業代行サービスの特徴は、「実際にフィリピンの現場で動く」ことを起点にしている点にあります。
企業リストの作成・アプローチ実行はもちろん、現地スタッフが商談に同席して言語・文化・商習慣の壁をリアルタイムで解消します。
「資料を送ったきり返事がない」「商談が前に進まない」という状況を、現場の介在によって打開します。
キーマンへの直接アクセスで商談を動かす
AXIA Promotion & Trading Philippines Corporationが持つ独自のネットワークと現地知見を活かし、担当者止まりの商談から脱却して決裁権を持つキーマンへ直接アプローチします。
フィリピンのビジネスで最も時間がかかる「適切な相手に届けること」を、最短で実現します。
KPIによる商談プロセス管理
アプローチから契約まで、すべての進捗をKPIで数値管理します。
停滞案件を早期に察知し、適切なタイミングでアクションを実行することで、長期にわたる商談プロセスの失速を防ぎます。
取得した実売データは、本格展開の可否と次の戦略を判断するための根拠になります。
現地精通スタッフ × 日本語窓口の安心体制
フィリピンの商習慣を熟知した現地チームが最前線で動きながら、クライアントとのコミュニケーション窓口は日本語で対応します。
はじめてフィリピン市場への営業を検討する企業でも、言語や文化の不安なくプロジェクトを進めていただける体制です。
スモールスタートからのご相談をお待ちしています
「まずフィリピンで試しに商談を動かしてみたい」というスモールスタートのご相談から、本格的な営業組織の設計・運用まで、フェーズに合わせてご対応できます。
フィリピン市場への営業代行にご興味をお持ちの方は、お気軽にお問い合わせください。
出典:
JETRO「フィリピンの投資環境(旺盛な消費市場、日本製品にもチャンス)」2025年 https://www.jetro.go.jp/biz/areareports/2025/5c2b8156cb2c9533.html
グローバルマーケティングラボ「フィリピン市場調査」2025年 https://www.global-marketing-labo.jp/country/?ca=7
IMF「世界経済見通し(フィリピン)」2024年
https://www.imf.org/
フィリピン統計庁(PSA)「国民勘定統計」2024年 https://psa.gov.ph/statistics/national-accounts
JETRO「2024年度 海外進出日系企業実態調査(アジア・オセアニア編)」2024年 https://www.jetro.go.jp/

執筆者
金田 大樹
鉄鋼専門商社や株式会社ネオキャリアのフィリピン現地法人での勤務を経て、リサーチ事業にて起業。中堅~大手の調査会社やコンサルティング会社のリサーチのプロジェクト管理を行った。その後、AXIA Marketing(アクシアマーケティング)株式会社を設立し、代表取締役に就任。フィリピン市場の成長を受けて、「AXIA Promotion & Trading Philippines Corporation」を立ち上げ。上場企業をはじめ、多くの企業の成長を「価値ある情報提供力」でサポートしている。
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