訪日外国人集客を成功させる勝利の方程式|「旅前SNS認知」と「旅ナカ施策」をつなぐ再現性の高いインバウンド戦略
2026-08-27
ノウハウ
訪日外国人集客を成功させる勝利の方程式|「旅前SNS認知」と「旅ナカ施策」をつなぐ再現性の高いインバウンド戦略

訪日外国人集客というテーマで悩む事業者の多くが直面しているのは、「SNSを頑張っているのに来店・購入につながらない」という壁ではないでしょうか。
実はその原因は、集客施策が「旅前」か「旅ナカ」のどちらか一方に偏っていることにあります。
本記事では、公的統計をもとに、旅前のSNS認知と旅ナカの店舗施策をひとつのエコシステムとして設計する、市場を問わず再現性の高いインバウンド集客の型を解説します。
なぜ訪日外国人集客は「旅前」施策だけで語れないのか
日本政府観光局(JNTO)の発表によると、2025年の訪日外国人旅行者数は4,268万3,600人となり、前年から15.8%増えて初めて4,000万人を突破しました。
訪日外国人旅行消費額も観光庁の速報値で9兆4,559億円に達し、前年比16.4%増と、旅行者数・消費額ともに過去最高を更新しています。
特筆すべきは、この成長が特定の国に偏ったものではないという点です。
調査対象23市場のうち20市場が2025年として過去最高を記録しており、韓国・中国・台湾といった東アジアの主要市場に加え、東南アジアや欧米豪の各市場も軒並み伸びています。

また、JNTOが2026年1月に公表した2025年の総括分析では、2025年10月の外国人延べ宿泊者数の実績として、三大都市圏が前年比0.8%減となった一方、地方部は同14.1%増と大きく伸びたことが示されています。単月データではあるものの、地方誘客と市場の多様化が着実に進んでいるとJNTOは評価しています。
政府が掲げる「2030年に6,000万人・15兆円」という目標に向けて、市場の多様化と地方分散が同時に進行しているのが今のインバウンド市場の実態です。この裾野の広がりは、訪日外国人集客において「どの国にどう届けるか」の設計が一層重要になっていることを意味します。
市場が多様化する一方で、旅行者の消費行動そのものも変化しています。大都市周遊型の「モノ消費」から、地域固有の体験を求める「コト消費」へと移り変わり、行き先や買い物の意思決定が旅行前に一括で完了するのではなく、滞在中の天候や気分、SNSでの偶然の出会いによって現地で流動的に決まるようになっているのです。
2030年の政府目標「6,000万人・15兆円」に対する進捗を見ると、2025年時点で人数は約71%、消費額は約63%まで到達しており、旅行者数の伸びに消費単価の向上が追いつくかどうかが今後の焦点になっています。
カテゴリー別に見る「旅前」と「旅ナカ」の意思決定比率
デロイト トーマツが実施した「インバウンド消費者意識・購買行動調査」では、サービスのカテゴリーによって旅前・旅ナカの決定比率が大きく異なることが示されています。
交通や大型施設の予約は旅前に固まる一方、体験・エンタメ・買い物といった消費カテゴリーでは、旅ナカでの意思決定が4割から6割を占めています。

この結果から分かるのは、体験消費や飲食、ショッピングを扱う事業者にとって、旅ナカでの「今から行ける」「近くで良さそう」という即時的な選択に入り込む施策が不可欠だということです。
ただし旅ナカでの選択は、まったくのゼロから行われるわけではありません。次の章で解説する「旅前のSNS認知」が、旅ナカの選択を大きく左右しています。
「旅前SNS認知」が「旅ナカ来店」を左右するアンカリング効果とは
旅行者は現地で膨大な情報と時間の制約に直面するため、見知らぬ店舗をゼロから検索するリスクを避け、旅前にSNSで見た記憶のあるブランドや、事前に保存しておいた投稿を優先的に選ぶ傾向があります。
これは心理学でいう「アンカリング効果」であり、旅前の露出量そのものが旅ナカでの選択率を底上げする仕組みになっています。実際、高額消費を行う旅行者ほど「納得感のある体験価値」や「安心感」を重視するという調査結果もあり、旅前に得た質の高い情報が、旅ナカでの心理的なハードルを下げる役割を果たしています。
ただし、旅前アプローチで成果を出すには、ターゲットとする国・地域が実際にどのSNSに時間を使っているかを正確に把握する必要があります。プラットフォームごとのユーザー行動は国によって大きく異なるため、闇雲にひとつのSNSだけを強化しても、市場によっては空振りに終わってしまいます。
国・地域別に見るSNSプラットフォームの使い分け

例えば東南アジア市場の中でも訪日者数が伸びているフィリピンでは、Facebookの利用者が9,100万人(人口の78.0%)に達し、生活インフラとして定着しています。加えて18歳以上のTikTok利用率は80.1%(6,230万人)に上り、短尺動画による情報収集が主流です。
このように市場ごとにSNSの使われ方はまったく異なるため、進出したい国・地域の特性に合わせてプラットフォームと言語(現地の公用語や、英語と現地語が混ざったスラング的表現など)を使い分けることが、旅前施策の成果を左右します。
また国や地域を問わず共通しているのが「Google Maps」の存在感です。SNSで偶然見かけた投稿に関心を持ち、その場でGoogle Mapsに保存し、現地到着後にナビゲーションで訪れるという行動経路が世界的に定着しています。
つまり旅前のSNS発信は、Google Maps上での「見つけやすさ」とセットで設計しない限り、旅ナカの来店にはつながりにくいのです。
旅ナカの摩擦を消す3つの現場施策—Google Maps MEO・キャッシュレス決済・UGC設計
旅前で認知を獲得できていても、現地でのナビゲーションが分かりにくかったり、希望する決済手段が使えなかったりすると、旅行者は即座に競合へ流れてしまいます。旅ナカの摩擦(フリクション)を取り除く施策は、旅前施策と同じくらい重要です。
第一に、Google Mapsのビジネスプロフィールを多言語のメニュー表記や写真、正確な営業時間で整備するMEO(Google Maps最適化)です。「今から行ける場所」を探す旅行者にとって、Google Mapsは検索エンジンそのものであり、費用対効果の高い施策として位置づけられています。
第二に、現地で使い慣れたキャッシュレス決済への対応です。中国からの旅行者にはAlipayやWeChat Pay、フィリピンをはじめとする東南アジアの旅行者にはGCashなど各国で普及しているQRコード決済に対応することで、両替の手間や現金保持のリスクを避けたい旅行者の入店ハードルを下げることができます。
第三に、来店客自身にコンテンツを作らせる「UGC(ユーザー生成コンテンツ)」の仕組み化です。撮影スポットや多言語のハッシュタグ案内を設置し、投稿してくれた来店客に小さな特典を用意することで、次の旅行者への旅前認知が自然に生まれていきます。
この一連の流れは単発では終わりません。旅前にSNSで築いた認知が旅ナカでのストレスのない来店につながり、来店した旅行者がその場で残すUGCが旅アトの拡散を生みます。
そしてそのUGCが、次の旅行者にとっての新たな旅前の認知材料となります。旅前・旅ナカ・旅アトの三段階は、こうして一つの輪として循環していきます。
訪日外国人集客を再現性の高い仕組みに変える3ステップ
ここまで見てきた旅前・旅ナカの施策は、単発のキャンペーンとして終わらせるのではなく、繰り返し運用できる「型」として設計することが重要です。
①旅前の認知形成:ターゲット市場で影響力のあるKOL・インフルエンサーとのタイアップ、現地の言語感覚を踏まえたSNS運用、現地の旅行博・商談会への参加を通じて、ターゲット層に直接リーチします。
②旅中の導線設計:Google Mapsの多言語MEO、対象市場で普及しているキャッシュレス決済の導入表示、店舗内のフォトスポット設置によって、来店から購買までの摩擦をなくします。
③旅後の拡散循環:投稿インセンティブによって生まれたUGCを、次の旅行者の旅前認知へと再投資し、広告費に依存しない持続的な集客サイクルへとつなげます。
この3ステップを自社単独で市場ごとに回すには、現地の言語や文化、プラットフォームのアルゴリズムに関する専門知見が欠かせません。特に旅前のフェーズは、現地のネットワークや言語感覚がないと成果が出にくい領域でもあります。
フィリピンからの訪日集客は、AXIA Promotion & Trading Philippines Corporationにご相談ください
ここまで解説してきた旅前・旅ナカの統合戦略は、市場によって最適なSNSや決済手段、言語表現が異なります。中でも東南アジア随一の親日国であり、3年連続で訪日者数が過去最高を更新しているフィリピン市場からの集客を検討されている場合は、AXIA Promotion & Trading Philippines Corporationにご相談ください。
フィリピン現地に拠点を持ち、現地消費者の行動を熟知したAXIA Promotion & Trading Philippines Corporationが、現地KOLとのタイアップ、ネイティブスタッフによる英語・タガログ語併用のSNS運用代行、現地旅行博への出展サポートまで、旅前フェーズの集客施策をワンストップでご支援します。
出典
・日本政府観光局(JNTO)訪日外客数(2025年12月推計値):https://www.jnto.go.jp/news/press/20260121_monthly.html
・日本政府観光局(JNTO)2025年インバウンド動向分析:https://www.travelvoice.jp/20260130-159162
・国土交通省 観光統計・白書:https://www.mlit.go.jp/kankocho/siryou/toukei/in_out.html
・観光庁 インバウンド消費動向調査(2025年暦年 速報)関連記事:https://www.wealth-mngt.com/voice/2020128
・デロイト トーマツ「インバウンド消費者意識・購買行動調査」:https://www.deloitte.com/jp/ja/services/consulting/research/inbound-tourism-survey.html
・訪日ラボ「2025年の訪日フィリピン人数は88.5万人、消費額は1,636億円でともに過去最高」:https://honichi.com/news/2026/03/04/inbound-philippines-2025/
・Rocket Primer「フィリピンのデジタル利用状況(2025年)」:https://rocketprimer.com/
・LIFE PEPPER「インバウンドMEO対策完全ガイド」:https://lifepepper.co.jp/
・IntaPay「フィリピンのキャッシュレス最新事情」:https://intapay-payment.intasect.com/
・AXIA Promotion & Trading Philippines Corporation:https://axia-philippines.com/

執筆者
金田 大樹
鉄鋼専門商社や株式会社ネオキャリアのフィリピン現地法人での勤務を経て、リサーチ事業にて起業。中堅~大手の調査会社やコンサルティング会社のリサーチのプロジェクト管理を行った。その後、AXIA Marketing(アクシアマーケティング)株式会社を設立し、代表取締役に就任。フィリピン市場の成長を受けて、「AXIA Promotion & Trading Philippines Corporation」を立ち上げ。上場企業をはじめ、多くの企業の成長を「価値ある情報提供力」でサポートしている。
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